月別アーカイブ: 9月 2023

第4回天体観望会(愛校祭内)開催報告

高校文化祭の一般開放日にあたる9月23日(土)9:00-15:00に地球科学部・自然科学部主催2023年度第4回天体観望会を開催しました。

天文台の天体観望会来場者は710人でした。スタッフは教員1人,生徒9人,OB4人ののべ14人でした。対象天体は太陽(屋上のコロナドPST)と金星(天文台のスカイマックス)でした。太陽については黒点とプロミネンスが見え,金星については三日月型の形がはっきり見え,楽しんでいただけました。天体が見えない時間帯は天文台内に用意したポスターや過去に撮影した動画などを見ていただきました。14時30分ごろまでは,太陽と金星の両方見えるかしばらく待っていればどちらかが見える状態でした。14:40をすぎたところで太陽も金星も厚い雲で全く見えなくなりました。閉場5分前に,見えている月を望遠鏡で見たいとのリクエストがあり,最後まで残っていた数人には月をスカイマックスで見てから帰っていただきました。

前回の夜間観望会で階段室から屋上への段差でけがをした人がでた件について,これを機に屋上への屋外の階段の片側に手すりを付けたら良いのではないかとOBから提案をいただきました。

なお,1階物理室で同時開催のプラネタリウムについても,1時間4公演ほぼ満席で観覧者総数約360人の大盛況となりました。公演待ちの方には廊下で地球科学部の研究発表ポスターや写真を貼ったパネルを見ていただきました。

コロナドPSTで太陽のプロミネンスの観望

日本地質学会ジュニアセッション参加報告

2023年9月17日(日)中学自然科学部所属の部員1人と高校地球科学部所属の部員1人が京都大学で行われた第21回日本地質学会ジュニアセッションに参加しました。ポスターセッションの形で発表し,研究者の方々から助言・指導をいただきました。実物のサンプルと地層の切断標本を持って行ったのが好評でした。他校の高校生の発表も見せていただき,研究者の学会発表のようすも垣間見ました。

発表題目は(和文)火炎構造の奥行きを探れ-荷重痕の変形構造の立体分布-
(英文)Three-dimensional structure  of  lord-and-flame structures and balls-and-pillows  in the Miocene Morozaki Group at the Toyohama Sakai seashore in Minamichita-town,  Chita Peninsula, central Japan
<要旨> 中新統師崎層群が分布する愛知県南知多町豊浜坂井の海岸で凝灰岩の上面にsole marks の1種であるtransverse erosional marks が荷重痕により変形してできる構造が見られた。露頭観察とサンプル切断により,通過した混濁流の流向は西から東,タービダイトが堆積した斜面は東に傾いていたことがわかった。これは,内海断層の西側が調査地点より高く,盆地逆転していたという考えを支持する。

文化祭でプラネタリウムを上演

名古屋高校地球科学部と名古屋中学校自然科学部合同でプラネタリウム投影用のドームを持っています。物理室の暗幕の上にブルーシートを重ね張りして暗くして,学校の投影装置でプラネタリウムを投影し,話者が公演します。プラネタリウム投影装置はワタナベ教具製作所製で,惑星の位置を調節できる,本物のプラネタリウムです。ドーム内部に観覧者は10人程度椅子に座っていただけます。上演準備のようすを明るいときと暗いときと撮ってみました。文化祭においでの際は天文台だけでなく,プラネタリウム公演の方にも,是非お立ち寄りください。

第3回観望会報告

好天に恵まれ,土星とM13がよく見えました。生徒スタッフ当初10人→途中参加含めると13人で,望遠鏡3台を(スカイマックス,TS160,FC100)使って観望していただきました。スタッフの間で場内の危険箇所についての認識を徹底できず,来場者の方で,段差に気づかず怪我をされた方が1人出てしまいました。天体観望については,特に観望会後半反射赤道儀TS160で拡大率を上げて(焦点距離1000mm,アイピース焦点距離5mm→200倍で)みる土星は素晴らしく,狭くなって見えにくくなっているはずのカッシーニの隙間が非常にはっきりと確認でき,衛星も複数みえ,本体の縞模様も綺麗に見えて,これまで生観望した土星の中で最高に綺麗であったと思います。最初はTS160とFC100が土星の観望。スカイマックスがM13の観望という分担でした。途中からFC100はアルビレオの観望用に変更しました。来場者数は220人を超え,天文台はほぼずっと,屋上へも一時,入場制限をかけました。スカイマックスで見るM13も球状星団の恒星の粒々が見えると指摘した人が10人ほどいらっしゃいました。観望会終了後にスタッフでチェックしたところ確かに球状星団に属する恒星のいくつかが粒々になって見えました。TS160 のアイピースをスタッフがスマホで覗いて撮影した写真が1枚残っていますので添付します。

2023年9月16日名古屋中高天体観望会でスマホかざし撮影した土星。環が見える。
観望会スタッフ生徒が簡易撮影した土星

本日第3回観望会

18:30-21:00の日程で天体観望会を実施します。観望される方は時間帯中の都合のつく時刻にいらしてください。
途中入場・途中退場問題ありません。都合の良い時間にいらして都合の良い時間にお帰りください。
観望会の時間帯は9:00現在と同じような雲の多い天気が予想されているため,M13の観望は困難で土星もその方向に雲があると雲がどいて見えるまで待っていただくことになると思います。その時間に見える天体を見つけて見ていただく観望会になると思われます。
土星の見える秋の観望会には過去に300人を超える来場者のあったことがあります。制限無しの観望会ではありますが,新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの感染が拡大傾向にあることから,マスクをしての来場をおすすめいたします。アイピースの見口をエタノール消毒する予定なので,エタノールに弱い方は眼鏡の着用などの対策をお願いします。望遠鏡を覗くたびに手指消毒することになる場合もありますから,エタノールに弱い方はポリ手袋の用意・着用などの対策をしていただけるとスムーズに観望できるかと思われます。天文台の中に入る人数は制限しますので,混雑時には屋上の天文台外でお待ちいただくことになります。また,屋上にいらっしゃる方が一度に120人を超えそうな場合には屋上前の階段でお待ちいただきます。階段でお待ちいただく際には他のグループのと間隔を2m保持して待機していただきますように,また,室内・屋上で並んでいる場合も間隔を1mあけていただき大声は控えていただきますようにお願いいたします。
現地で不明な点があれば,制服を着ている部員およびネームプレートを付けている職員にお尋ねください。