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ReadingDrill第24回(5)

あれから、「ブス美人」の対立に当たるのが「密室(皆がよく目にする)たくさんの製品」ということだけど、「皆がよく目にする」ってどこに書いてあるの?という質問を何人かからもらいました。これはなかなか良い質問です。この質問の答えは、段落冒頭の英文を読めば分かります。
色の革命は学者達の目には見えない。なぜなら、それはビジネス間の現象だからだというのが1つある。
The color revolution has been invisible to scholars in part because it was a business-to-business phenomenon.
 ほらね!段落冒頭文には主張が現れます。2段落構成の短い英文だったらなおさらです。あ、赤本はこの英文を次の様に和訳しています。
 色の革命は、1つにはそれが企業向けの現象だったので、学者には見えなかった。
 薮下は赤本の訳語を見ていつも思うのですが、訳者はそんな日本語を今まで使ったことが本当にあるのでしょうかね?ここの「企業向けの現象」って一体何のことでしょうか?消費者向けの現象とか学者向けの現象なんて言葉を聞いても、何も頭に絵は浮かびません。この誤訳の原因は、business-to-businessの意味を訳者が「密室」から推察できなかったということでしょう。要はこの子は頭があまり良くないってことです。
business-to-business phenomenon
企業と企業の間で行われること
 たとえばpeer-to-peer communicationというのは、2台のコンピュータの間で行われるデータの受け渡しのことを言ってるし、man-to-man talkというのは、2人の間で行われる率直な意見交換のことを言ってます。だから、ここでは色のプロが行ってきた色の革命は、企業と企業の間で行われてきた(すごい)ことだから、学者先生たちにはよく見えなかったと言ってるわけです。
 赤本がこれを誤訳しているということは、この問題文の主旨が理解できていないと言うことになります。なぜなら「企業向けの現象」から「密室」は出てきません。「企業と企業の間の出来事」だから「密室」なのでしょ!?business-to-businessの意味が分からなくても、「密室」からその意味が推察できなくてはいけません。
 英語は左の内容が右で具体化されます。ここでも「色のプロが行った革命は企業と企業の間の出来事だから見えない」→「色のプロの仕事は密室でおこなわれていたので見えない」と具体化されるわけです。他にも「scholars(学者)」が「design historian(デザインの歴史を研究する学者)」になっていて、彼らに見えてるのは市場に出回るconsumer goods(皆がお金を出して買う製品)だと言うわけです。そして、次に「主張文」が出てきます。
 (実際に)色のプロ達の仕事は、人工環境を作ることだったし、クレオラ社製のクレヨンやパステルカラーの車を含むたくさんの製品に彼らは直接関わっている。
(Indeed) the work of professional colorists shaped the built environment, and many consumer products, including Crayola crayons and pastel automobiles, were directly attributable to them.
しかし、色のプロたちは主に他のプロたちと密室で仕事をしていた。
But colorists mostly worked behind closed doors with other professionals.
 ここで注意して欲しいのは、さっきのconsumer goodsもここに出てくるconsumer productsも同じことを言うのに使われています。つまり、「学者先生も含めた皆が目にすることのできる製品」です。ちょっと文脈をまとめてみましょう。
 (色のプロが行った)色の革命は学者たちの目には見えない
なぜなら
その革命は企業と企業の間(の密室)で行われたことだから。
(それだから)
デザインの歴史を研究する学者は、市場にでまわりよく目にする製品を研究対象として扱う。
(実際に)
色のプロの仕事もよく目にする製品に直接関わっているのだけど、
しかし
色のプロは他のプロたちと密室で仕事をしているので、目には見えない
 ほらね!これで「密室と皆よく目にするたくさんの製品」の対立がハッキリして、「主張文」の意味が分かるようになったと思います。
 あ、built environment(人工環境)はartificial environmentとかman-made environmentと言うのが普通です。これはnatural environmentに対立する言葉で、人間が自然に働きかけて作り上げた生活環境は全て「人工環境」です。この様に、早稲田の英語はある程度の語彙力と、それに基づいた推察力が必要です。だから、最初の単語集1冊以外にも、分野別の単語集、あるいは4000語レベルの単語集を別にやっておくと安心です。
 さて、今年のブログはここで打ち止めです。続きは来年にします。よいお年をお迎えください。

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