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第3課 「時間の表し方」(3)時間と時制③

第3課「時間の表し方」の3回目です。今回は「現在」について考えます。その前に、今までの話を簡単にまとめておきます。
あたしらの頭の中にある「時間」のイメージと、「時間」を表現する仕方との間にはちょっとズレがありました。言い換えると、「過去」のことは「過去形」で、「現在」のことは「現在形」で、「未来」のことは「未来形」で表現するとは限らないわけです。だから、英語や日本語の時間の表現の仕方を「時間」とは言わずに「時制」と呼ぶことにしたのです。
そして、「帰る」という動詞を使って色々例文を考えましたが、「昨日帰った」、「帰る」、「明日帰る」はそれぞれ、「過去」、「現在」、「未来」の内容を言ってるように見えます。でも、実際は「昨日帰った」は「過去」を、「今帰る」と「明日帰る」は「未来」の内容を表現していて、「現在」がどこにもありません。じゃあ、なぜ「帰る」に「現在」はないのでしょうか?そして、一体「現在」って何のことなのでしょうか?
「帰る」や「出発する」、「始める」や「終わる」といった動作は一瞬で終わってしまいます。つまり、「帰る」という動作は、人の家を出た瞬間に、あるいは自分の家に着いた瞬間に終わります。だから、その動作がずっと続くことはありません。言い換えると、人の家を出発し続けたり、自分の家に到着し続けたりすることはないのです。こういう風に一瞬で終わる動作のことを「瞬間動詞」といいましたね。「やり直しの英文法」の「第1課・「単語」(20)動詞には動作と状態とがある」でもうすでに勉強しました。忘れた子はちゃんと復習をしておいてね!
瞬間動詞は、その動作が始まった瞬間に終わってしまうので、「現在」がありません。つまり、「もう帰るつもり」は「未来」、「さっき帰った」は「過去」で良いのですが、「今帰る」は「現在」のことじゃなくて「未来」のことを表現しているわけですね。つまり、瞬間動詞の現在形は「未来」の予定を表現してしまうのです
正午には東京に帰ります。
I go back to Tokyo at noon.
授業は2時に始まります[終わります]。
Today’s class begins [ends] at two o’clock in the afternoon.
英語に「14時」という表現はありません。「午後2時」にするにはin the afternoonを付けます。ま、夜中の2時に授業なんて常識じゃあ考えられませんから、付けなくても通じます。それじゃあ、現在形で表す「現在」って一体何なのでしょうか?次の例文を見てください。
あたしはKurt Ollmannを知ってます。
I know Kurt Ollmann.
Kurt Ollmannはオペラ歌手です。あたしの学生時代からの知り合いで、彼は元々は劇団で役者を目指してました。あたしもあの頃は女優になりたくて演劇をやっていて知り合いました。彼はその後、Leonard Bernsteinに見込まれて歌手に転向し成功しました。今ではアメリカを代表するオペラ歌手です。あ、名前だけなら知っているとか、顔は分かるくらいだとこうなります。
あたしはKurt Ollmannは名前は知ってるが、個人な知り合いではない。
I know of [or about] Kurt Ollmann.
さて、「知っている」という状態は一瞬では終わりません。昨日も知っていたし、今も知っている、これからも(ボケない限りは)すっと忘れないわけです。つまり、「過去」もそうだったし、「現在」もそう、「未来(これから)」もずっとそうだろうというわけです。これが現在形で表現する「現在」です。  さっきの例文をちょっと変えるとこうなります。
その授業は毎週金曜日の2時に始まります[終わります]。
The class begins [ends] at two o’clock every Friday.
その授業は先週も2時に、今週も2時に、来週も2時に始まる[終わる]と言いたいときには、瞬間動詞でも現在形で表現できます。例えば、あたしはアメリカ人女性です。歳は33才です。猫が好きです。名古屋に住んでます。健康のために毎日ウオーキングをしています。
I am an American woman.
I am thirty three years old.
I like cats.
I live in Nagoya.
I walk every day for my health.
現在形で表現する「現在」のことを、参考書によっては「現在の事実」とか「持続的・継続的性質や状態」と言ってみたり、「習慣的・反復的動作や出来事」なんて書いてますが、要は「昨日もそう、今日もそう、明日もそうだろう」ということです。「水は100℃で沸騰する」なんてのもそうですね。昨日は90℃、今日は100℃、明日は110℃なんてことはありません。さて、それなら現在形で表現する「今、この瞬間」というのはないのでしょうか?
打球はぐんぐん伸びてゆく、伸びてゆく。あ、捕りました。
The ball is flying over the field. Flying, flying, flying. Now, he makes the catch.
これは野球解説者のセリフです。他にもマジシャンが自分の所作を説明したり、台本のト書きなんかも現在形で書きます。ということは、普段あたしらが生活している時には今、この瞬間を「現在形」で表現することなんてないということです。あ、あたしはさっきずいぶん年齢をごまかしました。つまり、鯖を読みました。ごめんなさい!
この「鯖を読む」という言い方は面白いね!「鯖を数える」と言わないところがいい!次回は「現在形?それとも現在時制?」というお話をします。お楽しみに。
・Linda

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