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第1課 「単語」(15)名詞が数えられない理由⑤

「やり直しの英文法」の第15回目です。今日は「数えても仕方がない」名詞について考えます。
①1つしかないから数えない(固有名詞)
②いっぱいある(いる)ので全部は数えない(集合名詞)
③1つにつながっていて、輪郭や境目がハッキリしないので数えられない(物質名詞)
④見えないので数えられない(抽象名詞)
⑤数えても仕方がない(money)
money僕のポケットにはお金がまったくありません。
I don’t have any money in my pocket.
これは「New Treasure English Series Stage1」、Lesson3-3の発展に出てくる例文です。moneyが「数えられない名詞」として紹介されています。え?何いってるの?お金って数えるんじゃないの?って思ってませんか?だって左の写真には、合計166円の小銭が写ってるって分かるのは、お金を数えているからですよね。
でも、それって本当に数を数えていることでしょうかね?例えばお使いを頼まれて、500円玉をもらって334円の肉まんを買ったとします(そんな高い肉まんはないと思いますが・・・)。おつりは上の写真の166円。お母さんにおつりはいくらかと訊かれて「5つだよ!」と答えて写真の小銭を手渡したら、「お前はアホか?!」と言われるに決まってます。
もう分かったと思うのですが、数を数えるとは「おつりは5つ」と言うことなのです。お金を数えるのは、お金の額面の数字を足すことで、個数を数えることとは別なのですね。だから、お金の数を数えても仕方がないわけです。
英文法ではmoneyを物質名詞に分類しますが、薮下はちょっと違うと思います。物質名詞を数えるには、長さ、大きさ、重さなどの単位を使ってその物質を測(量)ります。数値が大きくなればなるほど、その物質の数量も増えてゆきます。でも、お金の単位は、その数量とは全く別の「価値」という物差しですから、同じ「1万円」でも、1円玉1万枚と1万円紙幣1枚が等価値になるわけですから、お金の数量とは関係がないわけです。ま、どうでも良いようなことですがね。
まとめておくと、moneyは「数えられない」のではなくて「数えても仕方がない」名詞です。つまり、「数量を数える」のと「価値を判定する」のとは別。集合名詞の中にも「数えても仕方がない」ものがありましたね。最後まで数を数えないというのは、そういうことです。
さて、何人かから「物質名詞や抽象名詞は無冠詞・単数形が普通なのに、なぜtheが付くの?」という質問をもらいました。確かに、ほとんどの文法書にそう書いてありますよね。だから、これはとっても面白い質問だと思います。僕ら教師は、この「無冠詞・単数形」という文法用語をもっと慎重に使う必要があるのでしょうね。薮下も「数えられる名詞を無冠詞・単数形で放置してはいけない」と良く書きますからね。
はっきり言って、「数が数えられるかどうか」とtheとは全くの別の話で、物質名詞や抽象名詞にtheなんて平気で付きます。こんな具合です。
今朝飲んだミルクは腐っていた。
The milk [that] I drank this morning was bad.
僕が愛しているのは君だけです。
You are the love of my life.
良く試験に出るthe+抽象名詞はkindnessですね。こんな具合です。
彼女は親切にも僕に道を教えてくれた。
She had the kindness to show me the way.
この3つに共通しているのは、2語以上の長い飾りが名詞の後ろにくっついて、その名詞を飾っていることです。つまり、漠然とミルク全体を指しているのではなくて僕が今朝飲んだ牛乳、漠然とした愛ではなくて僕の君に対する愛、漠然とした親切さではなくて僕に道を教えてくれた君の親切さを指しています。だから、このtheは「飾り予告のthe」、あるいは「特定のthe」だと分かります。あ、どっちでも良いですよ!自分が腑に落ちる方で覚えてください。あ、「飾り」については第3課で説明します。今は「that+文」、「前置詞+名詞」、そして「to不定詞」が名詞の後ろにひっついて名詞を飾るんだと思っていてください。でも、HIJKの子達は「ETの法則」をもう習っているので、この3つは分からないとイケません。忠鉢君!覚えてましたか?さて、この3つの例文にはトリックがあって、milk、love、kindnessの3つのうち1つは元から可算名詞です。どれでしょうか?正解は今度のブログで発表します。
この話に落とし前を付けると、本当は「物質名詞や抽象名詞には数えられないのでa、anは付かず、複数形の-s、-esは付かない」と書かなきゃならないということです。名詞が数えられないこととtheが付くかどうかとは、もともと全く関係のない話なのですからね。言い換えると、数えられる名詞を無冠詞・単数形で放置してはいけないからといって、数えられない名詞が必ず無冠詞・単数形になるわけではないということです。
さて、明日から新学期のドタバタでちょっと忙しくなります。しばらくはブログをお休みします。あ、5月の連休くらいまでにサーバを移転する予定です。アドレスが変わりますから注意してくださいね。

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