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マーカ抽出法講義(20)

マーカ抽出法講義の20回目です。前回から今年のセンター試験、問5の「内容一致問題」の解き方を解説しています。今回は設問2を考えましょう。
問2 In the last lesson, Chitose didn’t accept the portrait because she believed her (  43  ).
①family would appreciate it more than she would
②family would not like her style
③grandfather did not respect her as an adult
④grandfather was not a very good artist
この設問は、最後のレッスンの時、孫のチトセはお爺ちゃんが描いたチトセの肖像画を受け取りませんでしたが、それはなぜかという「心情把握問題」です。設問文にある「確定要素」はIn the last lesson, Chitose didn’t accept the portraitですから、それをザックリとマーカにします。そして、設問1の根拠文の直後から本文を読み進めます。すると、第1段落の最後に次の様なマーカ文が出てきます。
そこで、お別れのプレゼントとして描いたチトセの肖像画を彼女に見せて、私は言った。「これが本当のお前だ」彼女はそれを一瞥して言った。「そんなの私じゃない!」そして出て行った。
I then showed her the portrait I had painted as her farewell gift and said, “This is the real you!”  She took one look at it, said, “No, it isn’t!” and left.
確かにここでマーカはヒットするのですが、彼女が自分の肖像がを受け取らなかった理由はどこにも出てきません。設問1で、チトセは物事を見たままに描こうとしないのが欠点だとあり、自分の肖像画を「こんなのは本当の自分じゃない!」と言ってるわけですから、チトセは自分の事をお爺ちゃんにどう見て欲しかったのだが分かれば良いわけです。でもそれらしい記述はどこにもありません。こういうときは、下手な考え休むに似たりですから、余計な想像を巡らせるよりも、先を読み進むのが正解です。なぜなら、心情把握問題は、行間を読んで登場人物の気持ちを推し量るのではなく、心情が分かる根拠文が必ず本文中にあるからです。
次の段落の冒頭文から、その肖像画が両親の手に渡ったのは分かりますが、チトセがなぜその肖像画を受け取らなかったのかについては何も書いてありません。そして、その後しばらくは、チトセの外見がどう変わってしまったかの話になってゆきます。あ、外見の変化にstyleを使うのはダメですね!
チトセが豹変し始める数ヶ月前に私はこの肖像画を描き終えた。
I had done the portrait a couple of months before Chitose started changing her style.
絵の話をしているときにher styleとくれば普通は「彼女の絵の描き方」を指します。でも、ここで変わったのは髪型やイヤリング、化粧のことで、決して絵の描き方ではありません。もし外見が変わったと言いたいのなら普通はher appearanceを使います。styleには俗語っぽい表現で「流儀」という意味があって、彼女が自分の「流儀」で外見を変えたんだと作問委員の先生は言いたいのでしょうかね?でも、絵の話に出てくるstyleは「彼女の絵画様式」とか「彼女の絵画形式」、言い換えると「彼女の描き方」の意味しか普通は思いつきません。問4の選択肢にappearanceを使ったので、その類語を本文に持ってきたかったのでしょうが、styleは失敗です。こういう、ちょっと詐欺っぽい引っかけ方はルール違反じゃないのですか?
最近、予備校が出すセンター英語の講評を読んでいても、批判的な見解は全然見あたらず、概ね良好みたいな言い方ばかりです。本当にそうですかね?もしかすると予備校の先生達は大学入試センターから袖の下(賄賂)でももらっているのではないかと勘ぐりたくなります。予備校の批評眼が日本の大学入試の質を維持してきたんだというプライドはどこに行ってしまったのでしょうかね。あ、話が脱線してしまいました。ごめんなさい。
第2段落の最終文になってやっと、チトセがお爺ちゃんにどう見て欲しかったのかについての記述が出てきます。こんな具合です。
彼女は大きくなって、もっと大人っぽく振る舞いたい、もっと大人っぽく見られたいと思っているようだ。
I understand that she is getting older and wants to act and look more like an adult.
どうもこれが根拠文なのかな?!と思いながら、第2部のチトセの手紙を読み始めると、最初の段落にこうあります。
最後のレッスンのとき、あたしはお爺ちゃんの言うことをききませんでした。なぜなら、お爺ちゃんは未だにあたしのことを子供扱いしていると思ったからです。
In our last lesson, I didn’t listen to you because I thought that you still saw me as a kid.
こっちの方が根拠文としては最適です! ね!余計な想像を巡らせるよりも、先を読み進むのが正解だったでしょ!
問2 最後のレッスンの時、チトセはお爺ちゃんが描いたチトセの肖像画を受け取りませんでした。なぜならチトセは(43)と思ったからです。
①彼女の家族の方が自分よりもそれを喜んでくれると思ったから
②彼女の家族は自分の外見が気に入らなかったから
③彼女のお爺ちゃんは自分のことを大人としてちゃんと見てくれなかったから
④彼女のお爺ちゃんはあまり良い画家ではなかったから

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