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夏のアブラゼミ 第11日目 A of Bを超キレイに訳出すには④

「夏のアブラゼミ」11日目です。今回は、伊藤和夫氏の『英文解釈教室 改訂版』に出てくる英文をやってみましょう。
【問題】
    The very bigness of America has an importance in the formation of its tradition which it is not easy to overestimate.  It creates the belief that America is different, is somehow exceptional, that there is reserved for its citizens another destiny from that which is to befall the Old World.
<英文解釈教室>
【解説】
最初の the very bigness of America の of は「所有格のof」で「アメリカが持つ大きさ」です。だから、America‘s bignessと言えます。ま、America’s bignessは子供が使うような幼稚な英語ですがね。「大きさ」とか「深さ」などは、その物が持つ属性ですから、「所有格のof」を使って表現します。
その星が持つ明るさ
the brightness of the star
その川が持つ深さ
the depth of the river
アメリカが持つデカさ
the bigness of America
もっと言うと、本文の the very bigness of America も実は非常に変わった(変な)英語です。普通なら bigness じゃなくて expanse を使ってこんな具合に表現します。
アメリカが広大であること
the great expanse of America
bignessでは「大きさ」なのか「大きいこと」なのかハッキリしません。veryがついているので、かろうじて「大きいこと」と言っていると分かるのですがね。それにbignessには、幼児言葉の「デカさ」に近い響きがあり、あまり知的ではありません。もし「大きさ」を言いたいのなら、普通は bigness じゃなくて size を使います。
アメリカの大きさ
the size of  America
問題文が the great expanse of America だったら、expanse は 動詞 expand から派生した名詞だから「BがAする」、動作じゃなくて状態だから「BがAである」と主格のofで訳出してやるとカッコイイ。
アメリカとても広大であること
the great expanse of America
ま、本文の英語がもともと変なのですから、これは上手に訳せなくても仕方がありません。薮下はいつも思うのですが、日本の大学入試は「悪文」を使いすぎます(現代文なんてその最たるものでしょ!)。こんな変な英語で受験生の英語力を試してはいけませんね。和夫氏も、こんな英語を問題集に載せてはいけなかったのですよ!大学の入試問題作成者は先ず、出題したいと思っている英文をネイティヴと一緒に吟味することです。そして、それがキレイな英語なら良いのですが、ちょっと変テコリンな悪文だったら出題しないようにするべきです。
さて、次のA of Bですが、これも formation が動詞 form (形成する)から派生しているので、「BがAする」か「BをAする」だと分かります。伝統国や人形成するんじゃなくて、国や人伝統形成するのだから、「BをAする」だと分かります。itsはアメリカだから、「アメリカがアメリカの伝統を形成する中で」、アメリカが2度出てくるからちょっと工夫してやるとこうなります。
アメリカが自国の伝統形成する中で
in the formation of its tradition
さて、traditionの直後に関係代名詞のwhichが出てきますね。この先行詞って何だか分かりますか?関係代名詞の直前にある名詞が普通は先行詞だから、traditionだと思うでしょ?!ブブーです。だって「伝統を強調してもし過ぎることはない」って変でしょ。この文章のテーマは「アメリカの伝統」ですか?そうじゃなくて、「アメリカがとても大きいこと」でしょ!
「夏のアブラゼミ」のここそこで勉強したのは何でしたか?そう!「前置詞+名詞」を他の部分から切り出して考えろ!でしたね。だから、ここでもin the formation of its tradition切り出してしまうのです。そうすると、whichの先行詞がan importanceであることがハッキリしますね。別の言い方をすると、名詞の飾りが2つある場合、つまり「前置詞+名詞」と「関係代名詞が導く形容詞節」が1つの名詞を飾っている場合、ETの法則が働いて、比較的短くて済む「前置詞+名詞」が前に来て、長くなりそうな「関係代名詞が導く形容詞節」が後ろに来るわけです。
評価し過ぎてもし過ぎることがない重要性
an importance in the formation of its tradition which it is not easy to overestimate
あ、it is not easy to over~はit is impossible to over~と考えます。つまり「~し過ぎることは容易ではない」じゃあ変だから「~し過ぎることはできない」から、「~し過ぎてもし過ぎることはない」と訳出してやると良いでしょうね。それから、関係代名詞を訳出するときに、中学の時のように訳し上げるのではなくて、訳し下ろすようにしなさい。言い換えると、「アメリカが巨大であることには評価し過ぎてもし過ぎることがない重要性がある」とするのではなくて、「アメリカが巨大であることは重要だ。その重要性は評価し過ぎてもし過ぎることはない」とやってやるのです。つまり、「飾りから先に訳せ」ではなくて、「飾りは後で訳せ」というわけです。
【全訳例】
アメリカが自国の伝統を形成する中で、アメリカが巨大であることが重要であって、その重要性は高く評価してもし過ぎることはない。

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